2015年10月6日火曜日

自然倍音列/三全音の周波数比/その他

先日、自然倍音列の解説をちらっと見て、実際に聴いてみるために簡単なサウンドファイルをつくってFacebookからリンクしました。聴いた人そんなにいないと思いますが…。



リンクを消してしまってたみたいなのであらためてbandcampにあげました。

2秒づつ(だったかな?)110Hz、220Hz、330Hz、440、550,660、…
と、ピーといういわゆる正弦波、英語でサインウェーブで、音程が上がって行きます。最初の基準音を「第1倍音」その後順番に「第2倍音」「第3倍音」とよびます。
サインウェーブとは倍音を含まない、純音と呼ばれるものです。
というわけで、聴いていただくといろいろと気づいていただけると思いますが、
最初の110Hzの音は、「ラ」の音です。次の220も「ラ」。ただし1オクターブ上がってます。次は「ミ」、次はまた「ラ」で、よくチューニングに使う440Hzの音です。

音名で言うと、第1倍音から順に、
、ド#、ミ、ソ、、ド#、レ#、ミ、ファ#、ソ、、…
という感じで(平均律とはだいぶずれているけど)聴こえます。上に行くほど1オクターブに含まれる音の個数が増えていきます。

参考
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%80%8D%E9%9F%B3

ところで、けっこう上のほう行くと音の聴こえてくる方向が右だったり左だったり、そういう気がしませんか?いや、俺だけかも知れないけど。こういう現象ってあるのかな?(耳の構造上の問題?それとも耳あかが共鳴してんのか??)

しかし、なんで周波数が2倍、4倍、8倍…、になるとおなじ「ラ」であったり、同じ「音名」の音として認識されるんでしょうか。不思議ですね。一体音名って何なんだ、ってことや、これは先天的なものなのか、それとも学習したものなのか。世界中の民族がこれだけは同じように認識しているのか。知りたいです。

ともかく、オクターブ関係、というのは2倍、2倍、の系列。
で、音階を作るために最低限必要な「5度音程」の関係。
(5度音程を繰り返していけば、ド、ソ、レ、ラ、ミ、…という具合に12音が出現して起点の音名の音に戻ります。ラが起点なら、ラ、ミ、シ、ファ#、ド#、ソ#… cycle of 5th といわれる)
5度音程は自然倍音列上では3倍、3倍、の系列です。
なので、完全5度音程がこの音列にあらわれるのは、第3、9、27、81…倍音、ということですね。で、計算上、12音を一周して戻ってきた音名「ラ」であるはずの音が、3の12乗ってことで、531441番目の倍音。これは何オクターブ上かっていうと、2の19乗が524228なので、だいたい19オクターブ上になりますが、
ここまで、計算あってるかな。
合ってるとして、オクターブ系列と5度系列、だいぶずれてしまってますね。

ここまでは、純正律(純正律は、第5倍音との関係も、音階を揃えるのに動員するらしい)の話などを調べれば近いような話が出てきます。

で、3全音。すなわち増4度。この音程関係はドを起点とすると、
ド、ファ#、(1オクターブ上の)ド、ファ#、…
となります。
反転してファ#、ド、1オクターブ上の)ファ#、…
となっても、音程関係が全音音程3つ分であるから、関係性が変わらない、ただしこれは平均律でのはなしだよね?

自然倍音列を使ってこの増4度を求めると、第11倍音なのですが、平均律との差は-48.682セント
だそうです。

しかし平均律だと、周波数比が1:√2。
(平均律は1オクターブを隣接する音の周波数比が等比になるように12分割したもので、半音の周波数比は2の12乗根になるので、その6個分)
√2 =1.4142... ひとよひとよにヒトミゴロ、ってやつ。コピー用紙の縦横比もこの比率。「白銀比」ともよばれる。

なんか、いわゆる「美しい」比率としてよく取りざたされるこの比(近年では黄金比や白銀比が美しいものなのだ、ということが疑問視されているようだが)。
どういうわけか、「ハモらない」として、「人為的」だとか「妥協」などと評判の悪い平均律で、それもよりによって「悪魔の音程」増4度が、「美しい」白銀比をなしている。
「みにくいアヒルの子」じゃないけど、ふしぎな感じがするのですが、
かといって、440Hzとその√2倍の662.25396…Hzを同時に鳴らすと、
(ま、つまり、ふつうに増4度音程…だけど、あらためて聴いてみるってことで)


ともかく、このビバップ以降のジャズ理論の屋台骨ともいえるこの増4度音程が、実は周波数日が√2だったということをいまさら発見して驚いたのでした。

つまり、A2の紙を半分に切ってA3、音の世界だとこれは増4度上がるってことなんだ…ホントか?そのとき縦横が入れ替わる。もう一度半分に切ると縦横が戻ってA4。これはA2が1オクターブ上がったってことなんだろうか。

ところで、比率の世界の横綱たる、黄金比(約 1:1.618)ではどうなんだろうなあ。

試しに音を鳴らしてみっか。440Hzと711.92Hz




これ、単なる数の遊びみたいにも見えるけど、「差音」のことを考えはじめると、案外とあれかもよ。なにしろ、黄金比はフィボナッチ数列の隣接する項の比に収束していくので、なんだか「差」が意味を持ってきそうな??

差音とは、2つの異なる周波数の音を同時に聴くとき、その周波数の引き算の答えの周波数(実際には鳴らしてはいない)の音が聴こえるという現象。ただし、このような低めの音だとあまり気にならない。(ふたりのフルート奏者だと、おたがいに非常に気になる)
なので、基音を1オクターブあげてみる。最初、LR振り分けで基準音とその黄金比周波数の音が聴こえます。しばらくすると、その周波数差の周波数の音がおいてあります。答え合わせというか。



※ bandcanp、ひとつのトラックが終わるとすぐ次に行っちゃうんだな。ちょっと不便(普通には便利なのだが…)

ということで、どう感じましたか。差音はあんまり聴こえないかな。

いわゆる純正率をありがたがる理由としては、とにかく和声が濁らないことが素晴らしい、と、されている。しかしこの黄金比の濁りはどうだろう。なにせ、濁り、サワリ、などをたしなむ文化なので、天上的サウンド純正率 vs 大地のサウンド●●律 という図式はどうだろう。ひょっとしたら、●●律とは平均律なんかじゃありえない、という保証はない。
半音階の滑らかさは平均律はとにかく等比数列なので滑らか。

と、ここまで書いてきて、読みなおすが、なんか意味がつかみにくい文章ですね。すいません。


何を言いたいのかというと、純正調の濁りのない和声、これは良いものです、が、平均律が単なる妥協の産物という汚名を着たままでいいのか!みたいな。直観的に、単に同時に鳴らして濁らない、だけじゃない、なにか動的なものを嗅ぎ取った!!という…感じか?まったく雲をつかむようなハナシです。

まあ、完全に対称的に機能する3全音音程は平均律じゃないとできない、んだよね。多分、今の私の理解ではそうなんですけど。これがなんかすごくひっかかるというか。また、この3全音音程はドミナントモーションや半音進行とすごく縁があるじゃないですか。この機動性はやはり純正律だと発生しないでしょう。
ということで、平均律を獲得したことで、自分が乗ってる地面が突然、「実は壁だったんですよ〜、ほっほっほ」というようなトリッキーでダイナミックな音楽を手にしたわけですね。それまでは天動説的音楽。大地は不動、その上でゆったり流れる音楽、というイメージか。


440Hzから、黄金比で上行するサウンドファイル。

下降するサウンドファイル。

 (以下、執筆中〜。上記も適宜修正しております)

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