2014年7月19日土曜日

近況報告など

明日は即興演奏ワークショップ「新・即興の日」@なってるハウス、14:00スタート、です。誰でも参加して頂けます。見るだけもOK。最近、ようやく隔月でなんとかやれてます。なってるハウスとつきあってくれている林君、また、参加者の皆様に御礼申し上げます。
前回は、原点に戻って、順番にduoで即興演奏してもらったりしました。明日はいまのところ、集団即興演奏の可能性みたいなところに注目して、数人単位でやってもらおうかなあ、と。ソロの場合と集団の中のひとりの場合で何が変わるのか、など、具体的というか実際的というか体験的というか。
集団で即興やる場面では、音量のバランスとか、自分の感じる自分の音のボリューム感と共演者が感じるボリューム感、観客が感じるボリューム感の齟齬というか不一致、など、これらの問題は即興演奏に限らずアンサンブルをやる場合には必ず存在し、経験豊かな奏者はそれらの問題をそれぞれの方法でなんとか解決したりそれがうまくいかなかったりするわけですが、ワークショップの場においてはそれをじっくり観察できるしね。
ここに録音という作業が入ると、プレイバックはみんな共通のものが聴ける、と思いがちですが、同じ録音聴いても聴く人によって印象が違うんだよね〜。どうしても自分の音が気になるので大きく聴きたいのに物足りなく感じる、とか。結局問題はそこで、ここで感覚の大転換が起きないといつまでも木を見て森を見ずの人になります。
ソロだと100%自分の音なので、細部まで聴こえるし、その細部が非常に重要と感じます。しかし、すでにduoになるとその細部は物理的あるいは精神的にほとんどマスキングされ、音とその細部のあり方が変わります。細部は、一つの音の表面をおおっていたのが、2つの音の関係性にこそ細部がある。まして即興だとその関係性は予期せぬものなので、そこが面白いということにならないと、他人と一緒にやるということの意味は出てこないのではないか…。
ひとつの一般的な心構えとしては、集団即興をうまくやるためには、すき間の多い演奏をする。時間軸としては休符が多いとか、和声的には調性が弱いとか、音量が小さいとか…。これらを守れば、「いわゆる」即興演奏ができあがります。毒にも薬にもならぬ、予定調和的即興演奏。これではわざわざ集って試し撃ちしていることにあまり意味がない。実際に集ってやってみると予想外のことがいろいろ起きて、上記した「心構え」から逸脱したすばらしい瞬間が訪れる、ことも、ごくまれに、あったりなかったり。

7/17、コルトレーン忌、なってるハウスで照内さん企画でテリー・デイを囲んで集団即興の会がありましたが、テリー、カイドー、入山さん、の3人での演奏が素晴らしかったです。日本でこんな即興を目の当たりにすることというのは、あんまり記憶にありません。とはいえ、毎回必ずそうなるのかというと、なにぶん即興なので断言はできないし、その良かった演奏はすっかり忘れられないといけない。あん時こんな感じだったっけ、などと探っちゃうともうダメ。うわ〜、なんて厳しいのだろう〜!厳しいけど、なんだか清々しい。楽しい。

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